過敏性腸症候群

過敏性腸症候群とは

過敏性腸症候群(IBS)は、ストレスなどに起因して、便秘や下痢を慢性的に繰り返す疾患です。

腸そのものには異常がなくても、腹痛や膨満感、ガスの貯留感などといった腹部症状が続くことが特徴的であり、「下痢型IBS」「便秘型IBS」「混合型IBS」の3タイプに加え、「その他」を合わせた計4タイプがあります。

過敏性腸症候群には、大腸ガンや大腸炎などの異常が認められないと確認されたうえで、それでも症状が続く場合に診断されます。

日本人の7人に一人がこの過敏性腸症候群に当てはまるとされており、重度になると外出を控えたり、頻繁にトイレに駆け込むなどといった生活の質の低下が問題となります。

・便秘が原因で過敏性腸症候群になる理由

過敏性腸症候群と便秘の間には密接な関係があります。というのも、便秘そのものが過敏性腸症候群を引き起こすというわけではなく、過敏性腸症候群の症状の一つとして便秘症が現れている場合が多いのです。

便秘を引き起こす原因としては、脳からもたらされるストレスにあるとされています。ささいなことでも、ストレスを感じることによって腸が過敏になり、そこから下痢・便秘と交互に引き起こされる場合があります。

便秘そのものが過敏性腸症候群を引き起こしているというよりも、便秘につながる何らかのきっかけや原因があり、そこから過敏性腸症候群となり、便秘症が現れていると考える方が自然です。

腸の内容物を排出させるためのぜん動運動は、自律神経によりコントロールされています。自律神経は日々のストレスによって容易に乱れてしまうため、便秘症はもちろんのこと、コントロールを失うことによって過敏性腸症候群にかかる場合もあります。

・過敏性腸症候群になってしまった場合の治療方法

過敏性腸症候群にかかってしまった場合、まずは正式に過敏性腸症候群と認めるために、似たような特徴を示す他の症状や病気を疑います。ポリープ、ガン、憩室、大腸炎などといったさまざまな腸の病気を検査し、異常がないことを検査によって確認します。

正式に過敏性腸症候群と認められた場合には、症状を完全に消すことだけにこだわらず、病気の特徴をしっかりと理解してうまく付き合っていく必要があります。日常生活の中で食事のバランスに注意し、消化に良いものを食べ、3食をきちんと決まった時間に摂るようにします。

過敏性腸症候群の治療には時間がかかる場合があります。そのため、ライフスタイルをきちんと正していくことが必要不可欠です。

食事の習慣はもちろん、睡眠や休養をしっかりと摂ることや、ストレスをできるだけ解消するといった治療のほか、朝の時間帯の排便を習慣づけるなどのこまめな工夫を重ねていきます。

食事療法としては、胃腸に影響を与える香辛料や冷たい飲食物などを控えるほか、脂ものなどの摂取もできるかぎり避けるようにします。場合によっては乳製品やアルコールも過敏性腸症候群を悪化させる可能性があるため、控えるように指示されます。

便秘症が酷い方の場合は、固形物など消化に悪いものは避けつつ、食物繊維と水分をしっかりと摂るようにします。

また、過敏性腸症候群の治療には、身の回りのストレスとうまく付き合っていくことも大切です。仕事や人間関係などからもたらされるストレスを、できるだけ下げるところから始めなくてはなりません。

別途、「自律神経失調症」と診断された場合は、精神科や内科などで投薬治療を行います。

・過敏性腸症候群にならないように便秘解消しよう

便秘症は過敏性腸症候群の症状の一種と言われていますが、元から便秘症を患っている方の場合は、過敏性腸症候群とは切り離して考えることもできます。

いずれの場合でも、便秘症を放置しておくことは腸内環境の悪化を招く可能性がありますので、食事や運動、睡眠などから生活を正していくことが効果的な予防方法となります。