漢方系

ここでは、漢方の生薬が便秘を改善する理由について、説明しています。

漢方系成分の特徴

生薬配合のお茶の場合、温効成分のあるものを選ぶと、便秘の大敵である冷えの改善にもなり、オススメです!

そこで、便秘に対する漢方とはどんなものなのか、どんな漢方が便秘に良いのかをご紹介します。

まず漢方では、便秘には5大原因があると考えられています。それは次の5つです。

  1. 精神的なストレスが原因の気虚(ききょ)/気滞(きたい)
    …ストレスや緊張が続くと、自律神経のバランスを崩してしまい、胃腸の働きが低下する。
  2. 冷えが原因の血虚(けっきょ)/寒虚(かんきょ)
    …内蔵は冷えることで機能低下するが、特に腹部の血行が悪くなると、栄養も行き届かなくなり、腸の活動を阻害して便秘になりやすい。
  3. 肝臓の働きが低下する肝虚(かんきょ)
    …肝機能の低下は胆汁の分泌を低下させ、排便に必要な胆汁が不足する。
  4. 胃や大腸の働きが低下する脾虚(ひきょ)
    …胃酸過多になると便秘に、少なすぎると下痢を起こす。また、腸の働きの低下は蠕動運動の低下につながり、便秘になりやすくなる。
  5. 腸内細菌のバランスの乱れ
    …便秘や便秘薬の服用を繰り返すことで腸内細菌のバランスが崩れ、便秘が慢性化しやすい。

これらの問題に対し、解決を促す生薬があるのでそれを紹介しましょう。

便秘の5大原因に効くとされる生薬とその効果

おもなものを挙げると、赤芽柏(アカメガシワ)、桂皮(ケイヒ)、丁子(チョウジ)、茴香(ウイキョウ)、エゾウコギ(シベリア人参)などです。

温効のある配合生薬

それぞれの生薬の効果については以下のとおりです。

  • アカメガシワ…整腸作用に期待でき、軟便や便秘に効果があるとされている生薬です。肝臓や胃粘膜を保護する作用があり、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃酸過多症にも良いと言われています。また薬草として腫れ物や痔を癒やすためにも古くから用いられています。胆汁分泌促進や、整腸作用、便秘改善に作用する
  • ケイヒ…一般的には香辛料のシナモンとして知られている生薬。体を温める作用があると言われており、発汗、解熱、鎮痛に効果があるとされています。食欲不振、神経性胃炎、慢性胃炎、胃下垂、渭酸過多症、勤悸、慢性胃拡張病、つわり、尿量減少、生理痛への効果が期待できます。毛細血管の血行を改善し、胃腸機能を整える
  • チョウジ…クローブという名前で香辛料にも使われています。胃を温める作用で、血流改善や消化機能の促進に効果があるとされている生薬です。嘔吐、吐瀉、腹痛、胃潰瘍、胃拡張症、便秘、下痢、月経不順、女性ホルモンによる精神神経症状、産前産後の神経症への効果が期待できます。胃を温めて血流を改善したり、消化機能を促進して身体を温める
  • ウイキョウ…フェンネルという名前で香辛料としても知られている生薬です。消化促進、利胆作用、血行促進、利尿作用、健胃作用により、消化血行を促進すると言われています。神経性胃炎、慢性胃炎、胃酸過多症、慢性胃拡張症状、胃下垂、つわり、腹痛、生理痛への効果が期待できます。
  • エゾウコギ…代謝促進、強壮作用により、体力向上と疲労回復に期待ができます。ベータ・エンドルフィンの分泌を高めるとも言われており、リラックス効果、精神安定、睡眠障害にも良いとされ、ストレス解消の手助けをします。また近年では、高血圧や血糖値を抑える期待もできるのではないかと研究されています。体力を向上させ、疲労回復を助けるほか、耐久力や抵抗力を高める
  • 大黄(ダイオウ)…瀉下、清熱、活血、駆瘀血の作用があると言われており、便秘の解消に期待して用いられます。効力が強めなので注意をして服用しなければなりません。

参考:

日本漢方生薬製剤協会

これらのほかに、大黄(ダイオウ)も瀉下(しゃげ)効作用、すなわち排泄を強力に促す作用がありますので、便秘の解消には効果的ですが、かなり強い効力ですので、服用には注意が必要です。

漢方系なら生薬のちからで体質改善できる

以上のような生薬を配合しているお茶は、その働きで体質改善も促すことができるのが嬉しいポイント。

漢方では、便秘は「水」の不足とストレスや緊張からくる「気」の異常、「血」の異常である「お血(おけつ)」によって起こる、つまり、便秘を起こす理由には複数の要因があると考えられています。

したがって、便秘以外の症状も同時に改善させていくことを目的としているのが、漢方系のお茶なのです。

5大原因に効くとされるこれらの生薬は、体を温める効果もあるので、便秘の大敵である冷えも防ぐという、まさに一石二鳥、いえ“三鳥以上”の成分なのです。

便秘を解消するお茶を探している方は、これらの生薬を配合したものを選ぶことをオススメします。

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便秘を改善に導いてくれる漢方は、その人それぞれで違います。体質によっていくつか種類があるため、ご紹介していきます。

大柴胡湯(だいさいことう)

  • 解熱や鎮静、解毒などの効能をもつ「サイコ」
  • 止嘔、去痰、鎮静などの効能をもつ「ハンゲ」
  • 発汗、健胃、鎮吐などの効能をもつ「生姜」
  • 消炎、清熱などの効能をもつ「オウゴン」
  • 補血、止痛などの効能をもつ「シャクヤク」
  • 健脾、鎮静などの効能をもつ「タイソウ」
  • 理気、健胃、通便、化痰などの効能をもつ「キジツ」
  • 瀉下、清熱、活血、駆瘀血などの効能をもつ「ダイオウ」

を配合した漢方です。

便秘がちの方に良い働きかけをします。肥満の解消にも期待できるものなので、お通じが悪く、ダイエットの効果がなかなか現れない方のサポートとして使ってもいいかもしれませんね。他にも、高血圧や胃腸の病気にも向いている漢方です。

体力はあるけれど便秘がちで悩んでいる人向けの漢方です。高血圧の人向けとされており、胃腸の病気などに対しても働きかけます。また、肥満の解消にも役立ってくれるため、便秘によってダイエットがなかなかうまくいかないという人にも最適ですね。

大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)

  • 瀉下、清熱、活血、駆瘀血などの効能をもつ「ダイオウ」
  • 健胃、鎮痛、鎮痙、去痰などの効能をもつ「カンゾウ」

を配合した漢方です。

体力があって、胃腸の働きも良いのに便秘で悩まされている方に向いています。とくに便秘が慢性化してしまい、体質的にも便秘が日常化してしまった方におすすめです。体質を改善することで、自然なお通じへの働きかけをしてくれる漢方でもあります。

体力はあって胃腸は上部でありながらも、慢性化してしまった便秘を抱えている人向けです。便秘は慢性化してしまうと、便秘であることが当たり前の体質になってしまいます。その体質を改善するために働いてくれるでしょう。

三黄瀉心湯(さんおんしゃしんとう)

  • 消炎、清熱などの効能をもつ「オウゴン」
  • 瀉下、清熱、活血、駆瘀血などの効能をもつ「ダイオウ」
  • 消炎、健胃、鎮静などの効能をもつ「オウレン」

を配合した漢方です。

ストレスが原因となっている便秘に効果が期待できます。精神的にイライラが多く、体がのぼせたり、火照ったりするような方は試してみてはいかがでしょうか。

イライラしやすく、のぼせ・ほてりといったことで悩んでいる人向けです。ストレスによって起こりがちな便秘に対して効果を発揮してくれる漢方です。

防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)

  • 補血、活血、止痛などの効能をもつ「トウキ」
  • 補血、止痛などの効能をもつ「シャクヤク」
  • 活血、止痛などの効能をもつ「センキュウ」
  • 清熱、除煩、消炎などの効能をもつ「サンシシ」
  • 清熱、解毒、消腫などの効能をもつ「レンギョウ」
  • 解表、透疹などの効能をもつ「ハッカ」
  • 発汗、健胃、鎮吐などの効能をもつ「生姜」
  • 解表、利咽、消腫、止血などの効能をもつ「ケイガイ」
  • 解表、発汗、解熱、鎮痛などの効能をもつ「ボウフウ」
  • 発汗、鎮咳、利水などの効能をもつ「マオウ」
  • 瀉下、清熱、活血、駆瘀血などの効能をもつ「ダイオウ」
  • 清熱、通便などの効能をもつ「ボウショウ」
  • 健胃、整腸、利尿などの効能をもつ「ビャクジュツ」
  • 止咳、去痰、排膿などの効能をもつ「キキョウ」
  • 消炎、清熱などの効能をもつ「オウゴン」
  • 健胃、鎮痛、鎮痙、去痰などの効能をもつ「カンゾウ」
  • 清熱、止渇、沈静などの効能をもつ「セッコウ」
  • 利水、通淋、清熱などの効能をもつ「カッセキ」

を配合した漢方です。

便秘の方でも、とくに肥満体型で悩まれている方に適しています。お腹に皮下脂肪が多いという方は試してみてはいかがでしょうか。また、高血圧の方にも良いとされています。

肥満気味の体形で、便秘にも悩んでいる人向けです。特に腹部に皮下脂肪が多い人、高血圧の人向けとされています。

麻子仁丸(ましにんがん)

  • 潤腸通便、補血などの効能をもつ「マシニン」
  • 補血、止痛などの効能をもつ「シャクヤク」
  • 理気、健胃、通便、化痰などの効能をもつ「キジツ」
  • 整腸、健胃、去痰、理気などの効能をもつ「コウボク」
  • 瀉下、清熱、活血、駆瘀血などの効能をもつ「ダイオウ」
  • 止咳、平喘、去痰、通便などの効能をもつ「キョウニン」

を配合した漢方です。

高齢のために便を排出しにくくなっている方にサポートします。固くなり、コロコロと出にくくなった便を柔らかくしてくれるので、頑張っても出てくれない状態を改善する方向へ導いてくれます。

高齢で便が固く排出しづらくなっている人向けです。便を柔らかくすることで自然と排出を促してくれるでしょう。便が固くなって出したくても出せない、コロコロとしていることが多い人におすすめです。

便秘に用いられる漢方は、その人の体質によっても異なります。自分の悩みに合うものを選ぶことで、より漢方の効果が実感しやすくなるでしょう。

参考:

日本漢方生薬製剤協会

便秘の場合の漢方と薬の違い

便秘を改善する方法として用いられる、漢方と薬。どのような違いがあるのでしょうか。

便秘解消に用いられる薬って?

薬といっても、主に3種類に分けることができます。

  • 大腸を刺激する薬
  • 便を柔らかくして出しやすくする薬
  • 腸の調子を整える薬

です。

大腸を刺激する薬に関しては、効果は絶大で数時間後には便が排出されますが、刺激が強すぎる可能性があります。使い続けていると、体が刺激に慣れてしまって効果がなくなってしまいます。

それ以外の2つ、便を柔らかくする薬と腸の調子を整える薬に関しては、慣れが発生することはありません。ただし一時的な服用だけでは不十分なので、定期的に服用する必要があります。

便秘解消に用いられる漢方って?

漢方は、体質改善をすることで便秘解消を目指すために用いられます。漢方では、ストレスがたまること・腸に水分が不足してしまうこと・血のめぐりが悪いこと、この3つが便秘の原因とされています。どの原因が大きく関係しているのかをまずは確認して、体質を改善するために有効な漢方を服用し、便秘の原因を招いてしまう体質を変えていく、それが漢方の働きです。

体質を少しずつ改善していくため、一度飲むだけで劇的な変化がある、というわけではありません。薬と比べると物足りないと感じるかもしれませんが、ゆっくりと効果が出るのが特徴です。

用途によって使い分けをしよう

薬と漢方、どちらが良くてどちらが悪い、というわけではありません。どちらも便秘を解消させるためには役立ってくれます。しかし、目的や用途に合わせて使い分けは必要です。すでにつらくて今すぐにでも何とかしたい…というときには下剤と呼ばれる大腸を刺激するような薬が必要となるでしょう。しかし、そればかりに頼っていると慣れて効果がなくなってしまいます。

そこで、体質から改善して便秘にならないようにするため、漢方を継続して飲むといいでしょう。少しずつ体質が変わっていくので、次第に薬を飲む必要もなくなり、自然と排出できるような体になるはずです。